こんにちは!あおです。
5~6月に旬を迎える、柔らかくてみずみずしい果物のひとつ、枇杷(びわ)。そんな枇杷は栄養た~っぷりで、風邪予防や美容にいいって知ってました?
実は栄養士免許を持つ私が、そんな枇杷の気になる栄養価・効果効能・カロリーを詳しくご説明いたします!又びわの食べ方や保存方法、子供が食べるとアレルギー症状や湿疹が出るって本当?!というウワサについて、詳しく調べてみましたよ~。
枇杷(びわ)の栄養価&効果効能をご紹介!
目次
枇杷は、昔から薬効のある果物と認識されていた!
枇杷といえば、現代では高級フルーツの印象が強い果物。ですが昔は、びわの葉が薬効成分があるためお灸や、薬といて用いられていたました。そのため診療所などの庭に植えられていたことが多く、″びわの木を庭に植えるとその家は病人が出る”との言い伝えがあったりもするのです!
なぜかというと、びわの葉を求めて病人が採りに来る→その家の人に病気がうつる→病人が出るといった理由から、そんなウワサも流れてしまっているのです。ただし現代では、びわの葉を求めて病人がやって来るという事はあり得ない(その前に病院行け(;^ω^))だと思いますので、そのような心配はないと思われます・・・。
でも、そんなウワサが流れてしまうくらい、びわには栄養が沢山あるってことなんです‼

枇杷の保存方法とは
びわを美味しく食べるのにはチョットしたポイントを理解しておく必要があります☆こちらの記事でまとめてみました~(*'▽')
-
枇杷(びわ)の保存方法・冷凍できる?解凍したらどうなるか検証&カロリーや栄養も!
こんにちは!あおです。 5~6月に旬を迎える、柔らかくてみずみずしい果物のひとつ、枇杷(びわ)。傷みやすく高級フルーツとして扱われていますよね。今回は、びわの保存方法をご紹介します。 でも、びわを美味 ...
枇杷のカロリーと栄養素
びわの可食部100gあたりの栄養価はコチラ。(びわ中サイズ1個分の可食部はだいたい約32gです。)同じく初夏に出回るモモと比較してみましたよ~。
エネルギー kcal | たんぱく質 g | 脂質 g | 炭水化物 | 食物繊維総量g | |
びわ | 40 | 0.3 | 0.1 | 10.6 | 1.6 |
もも | 40 | 0.6 | 0.1 | 10.2 | 1.3 |
β-カロテン μg | ビタミンB1 mg | カリウムmg | マグネシウムmg | 鉄分mg | |
びわ | 510 | 0.02 | 160 | 14 | 0.1 |
もも | 0 | 0.01 | 180 | 7 | 0.1 |
こうしてみると、びわとももの栄養価はカロリーも同じで、他の栄養成分も結構似ている、とわかります。びわは、果物のなかでは水分量が多いので比較的カロリーは低め。ですが、ビタミン・カリウム・マグネシウムなどのミネラル、食物繊維など、全体的にバランスよく含まれている果物である、と言えますね(^^♪ さらには、
びわの栄養成分は、β-カロテンの栄養価が突出している
という事が一目瞭然です!
さらに特筆すべきなのが、
- 抗酸化作用のあるβ-クリプトキサンチン
- 生活習慣病に効果のあるポリフェノール
が含まれているという事!

上記より、びわの栄養価と効果をまとめるとこうなります。
- β-カロテンが突出して豊富!
- β-クリプトキサンチンがかなり豊富!
- カロリーは果物の中では低め!
- ビタミンB1などのビタミンが豊富!
- カリウム・マグネシウムなどのミネラルが豊富!
- ポリフェノールが豊富!
では、以下に詳しく説明いたしますね。
びわのβ-カロテン量はトップクラス!
βカロテンは体内でビタミンAに変換され、皮膚の新陳代謝を高めたり、粘膜を丈夫にしてウィルスの侵入を防ぐ働きによる風邪予防効果、髪の健康維持、身体を酸化から守る抗酸化作用より抗発がん抑制効果や老化防止効果があると言われています。他にも、上部な骨を作るなどの成長をサポートする働きや、カロチノイドの一種ルテインも含まれていて、眼病予防や眼精疲労に効果があると言われています。
βクリプトキサンチンの効果とは
びわのオレンジ色の色素成分に含まれる、βクリプトキサンチン。これは、ビタミンA前駆体のβカロテンの1種です。温州みかんに特に多く含まれていますが、びわにも多く含まれているんです。
βクリプトキサンチンの効果とは
βクリプトキサンチンを摂取することで、
骨量を増やしたり減少を抑えたりと骨粗しょう症予防に効果が期待できる
強い抗酸化作用によるがん予防効果が期待できる
びわを摂取することによるβクリプトキサンチン血中濃度が高い人は、食べない人に比べて骨粗しょう症になるリスクが軽減されるそうです!
他にも強い抗酸化作用があるので発がん抑制効果や動脈硬化予防が期待できるそうです。
さらに他の栄養成分と異なり、
βクリプトキサンチンの効果は2か月以上も長続きするのが特徴!


ビタミンB1が豊富で疲労回復効果が!
ビタミンB1は、ご飯などの糖質の分解に関わる補酵素の役目や、脳の中枢神経や手足の末梢神経を、正常に保つ働きがあると言われています。
不足すると、体が疲れやすくなったり、だるいなどの症状や、脚気(末梢神経が侵され足がしびれたりむくんだりする症状)が起こりやすくなると言われています。
カリウム・マグネシウムなどのミネラルが豊富
カリウムはナトリウムとのバランスを保ちながら細胞を正常に保ち、血圧を調整する効果があると言われています。疲労回復や利尿作用、むくみの原因となるナトリウムを体外に排出する、慢性腎炎を抑える効能、高血圧予防などの効果が期待できます。
びわにはカルシウムの吸収を高めてくれるマグネシウムも豊富。又骨や歯などの血液中のカルシウム濃度を調整し、丈夫にする効果が期待でき、効率よく栄養成分を摂取出来るんです!マグネシウムには、体内の酵素の働きを助け、エネルギー産生機構に大きく関わりのある栄養素です。栄養の合成・分解過程、遺伝情報の発現や神経伝達などにも関与しています。
びわをカットして変色するのは、ポリフェノールが豊富だから!
びわの皮をむいたりカットしてしばらく放置すると、茶色くくすんできますよね。それは、ポリフェノールが空気に触れて酸化する事で起きる現象です。ポリフェノールは強い抗酸化作用を持ち、血圧を下げたり、アレルギーの緩和、美肌効果、動脈硬化予防、疲労回復効果、視力低下や疲れ目予防など多くの効果があると言われています。又がん予防やアンチエイジング、抗メタボ作用の効果があると言われています。
りんごの抗酸化作用もスゴイんです☆
抗酸化作用とは、自身が酸化する事によって体内の細胞を酸化から守る性質なので、
びわは変色しやすい=強い抗酸化作用をもっている
という事になるのです。

びわを子供が食べるとアレルギーが出るって本当?
令和元年6月(つい最近)、東京都大田区の小学校で、給食で出されたびわを食べて児童11人が体調不良を訴え救急車で搬送された、というニュースが流れたのを知っていますか?

児童11人はいずれも軽症で回復したとの事でした。

その日は学校の工事の為にお弁当持参の日で、学校側では牛乳とびわだけ提供されたそうです。牛乳は毎日配っていて賞味期限にも問題はなく、児童たちの訴えた症状により、その日配ったびわが原因ではないか、と現在調査をしているそうです。児童たちは、喉がいたい・体がかゆい・お腹がいたいなどの症状を訴えましたが、それはびわを食べた事による
口腔アレルギー症候群(OAS)
ではないか、と疑われました。
口腔アレルギー症候群とは・花粉症と関係があった!
口腔アレルギー症候群とは、果物や野菜を食べて喉の粘膜に触れることで、口の中が腫れたり、かゆくなったり、湿疹が出たりする症状です。その症状が出やすいのはシラカンバ・ハンノキ花粉症の人に多く発症しやすいと言われています。

それは、特定の果物や野菜に含まれるアレルゲン(たんぱく質)が、花粉症のアレルゲン(たんぱく質)と似た構造を持っており、体内に入る事で体が花粉が侵入したと勘違いして、口腔内でもアレルギーを起こしてしまう為です。
原因となる食品は、びわ・りんご・さくらんぼ・イチゴ・などのバラ科の食物を中心に、メロン・バナナ・キウイ・ナッツ類・トマトやナスなどの野菜など多岐に渡ります。
びわで今回症状が出た、と疑わえていますが、びわは高級フルーツとして近年中々口にする事の少なくなった為、アレルギーが出てしまうことに気づきにくかったのではないでしょうか。普段口にすることのないものを食べるときは、少しだけ食べて様子を見て、少しでも違和感が出たら食べるのをやめる注意が必要なのかもしれませんね。

アレルゲン物質は、熱には弱いので、コンポートやジャムなど加熱すれば大丈夫である事が多いので、気になる方は試してみてくださいね~。
びわの種の効能・がんに効くって本当?
びわなどバラ科の植物の種や未熟な果肉の一部には、青酸を含む天然の有害物質である″シアン化合物″が多く含まれています。

ネットの情報や書籍の一部には、シアン化合物のひとつである″アミグダリン”を、ビタミンの一種と称してがんに効くと謳い、健康に良いとする情報が流れている事に対し、農水省が警鐘をならしています。
農水省の発表では、アミグダリンが健康に良いとする科学的な根拠はなく、むしろ大量に食べたことによる健康被害まで出ているそうです。種子を粉末にしたものは、一度に大量のシアン化合物を摂取することになる危険性があるので、注意が必要です!
ただし通常、果実を食べることは問題はありませんよ~(∩´∀`)∩
関連記事
-
ネクタリンとは?プラムやすももとの違い&コンポートレシピをご紹介!
こんにちわ!実は栄養士の資格を持ってるあお(@aonorecipe)です! 初夏のスーパーで見かけるネクタリン。同じ時期に出回るプラムやすもも。見た目や味の特徴が似ている3種なのですが、実はネクタリン ...
-
スイカの栄養&効能とカロリー!妊娠中に食べてもいいの?おススメレシピも!
こんにちわ!あおです。 スイカの美味しい季節がやってきました!でもスイカって結構甘いから、太るんじゃ・・・。太りすぎないように体形制限のある妊娠中でも、食べてよいのかしら・・・。そんな事を考えたら気に ...
まとめ
びわは、その小さな一粒に様々な栄養素がバランスよくギュッと詰まっています。β-カロテンやβ-クリプトキサンチンの含有量は果物の中でトップクラス。強い抗酸化力を持つ、優秀な果物なのです!
ただ、ハンノキ・シラカンバ花粉症の人は、食べるときに注意が必要。びわはそれらのアレルゲンによく似たアレルゲンを持つため、食べると人によっては口腔アレルギー症候群を引き起こす可能性も。様子を見て、チョッと違和感があるな・・・という場合はすぐに食べるのをやめましょう。
また、近年びわの種はがんに効く、とのウワサがありますが、それは大量のシアン化合物を摂取してしまう恐れがありますので、種を食べることはNGですので、注意してくださいね!