シュークリームを作るときって、シュー生地には全卵2~3個、カスタードクリームに卵黄2~3個位使用します。でも、カスタードクリームって卵黄だけを使うから、余った卵白の使い道に悩みがち・・・。
そんなお悩みを解決するべく、今回は卵白消費のシュー生地のレシピをご紹介します。通常シュークリームを作るのに、卵は最大6個位使うところを、シュー生地に全卵と卵白を加えて作り、卵白消費策に。この方法なら卵4個で作れ、美味しいお菓子を作りながら節約もできちゃいます!
まずは、卵白を加えたシュー生地の作り方と、キレイに膨らませる絞り方のコツから詳しく徹底解説します!
誰でも失敗なしで、膨らむシュークリームが作れちゃうはずですよ。
卵白消費レシピ・シュー生地の作り方と絞りのコツ
材料(直径6㎝シュークリーム約12個分)
- バター60g
- 薄力粉90g
- 卵Mサイズ1個(殻付き63g使用)
- 余った卵白2~3個分
- 水150㏄
- 塩ひとつまみ
用意するもの
絞り袋&丸口金
シュー生地は絞って焼くため、絞り袋と口金は必須アイテム。
キレイに絞れるように丸口金がおススメ。丸口金がなければ写真の様に、プラスチックの口金の先をハサミでカットして下さいね。
シュー生地を絞る大きさに合わせた抜型・クッキングシート
今回は直径5㎝の抜型を用意しました。シュー生地の絞る際に、大きさの目安として使います。
天板に敷くのは、型紙でもOKなのですが、まれにくっついてしまう事があり、そうすると底が抜けてしまう可能性も・・・。
ツルッとはがれるクッキングシートの方が、焼き上がりの失敗を防げます。
卵白消費・シュー生地の作り方
絞りの大きさを均一にする為の裏技!
①薄力粉小さじ1(分量外)を水小さじ1(分量外)で溶きます。
直径5㎝の型をあて、クッキングシートを敷いた天板にのせます。
シュー生地は膨らむので、間隔をあけて型をのせていき、この作業を12回行います。
内径28㎝の天板だと、9個位がちょうど良い間隔だと思います。
前述したようにシュー生地は絞って焼くので、絞る際に目安となる大きさが分かっていると、焼き上がりの大きさが統一されキレイに!
ただし必ず行わなければならない作業ではないので、ご自身のご判断にお任せします。
卵・粉の準備
②卵1個、卵白2~3個分は、コシが無くなるように箸で良く溶きほぐしておきます。
薄力粉も事前にふるって置いて下さい。
普段のケーキ作りなどでは、私はおおざっぱに粉をふるいながら加えたり、卵もそのまま加え混ぜたりしちゃう(;^ω^)(手抜き)のですが、特にシュー生地の場合に限っては、これらの作業を事前に行っておいた方が、失敗を防げますよ。
鍋でバターを溶かす
③小さめの手鍋に、水150㏄、バター60g、塩小さじ1を入れます。
弱火にかけゆっくりとバターを完全に溶かします。
バターが溶けやすい様に、小さめにカットして鍋に入れて下さい。
火が強いと、バターが溶けるまでに先にどんどん水分が蒸発してしまうので、注意が必要です。
粉を加える
④バターが完全に溶けフツフツと沸騰したら、火を止めて、事前にふるって置いた薄力粉90gを一気に加えます。
木べらで水分となじませるように手早く混ぜます。ここでしっかりと粉と水分をなじませます。
薄力粉のデンプンを糊化させる
⑤再び弱めの中火にかけ、木べらで切るように混ぜては、底からひっくり返すという作業を手早く2分間行います。
火にかけて、生地表面に膜を張らせる(極端に言えば炒める様に)というイメージで行って下さい。
だんだんと生地がひとまとまりになって来たら、糊化完了のサインです。
シュー生地を膨らませる為には、ここが重要な作業です!火にかけて膜を張らせる事で、薄力粉中のデンプンを糊化(分かりやすく言うと煮える)させます。
そうする事で生地に粘りが出て、焼いた時に発生する水蒸気の力によって、風船の様に生地がプク~っと膨らんでくれるのです。
ただしあまり糊化時間が長いと、逆に膨らみにくくなるので、時間を守って下さいね。
火を止める
⑥2分糊化させたら火を止めて、ぬれぶきんの上に鍋を乗せ、これ以上加熱が進むのを抑えます。
卵を加える
⑦溶き卵1個分の半量を④に加え、木べらで切るように混ぜます。
大体なじんだら、残りの半量も加え、さらに混ぜます。
卵は最初なかなか混ざりにくいのですが、木べらを立ててトントンと切るように混ぜていくと、段々なじんでいきますよ!
少しずつ卵を加えては、しっかりと混ぜて下さいね。しっかりと混ぜる事によって、小麦粉の粘り成分・グルテンを発生させるのを目的としている為です。
小麦粉のグルテンについての記事は、下記リンクを参照して下さいね。
卵白を加える
⑧卵半量ずつと大体同じ位の量の卵白を、⑤に加え更に混ぜます。ここでは大体卵白1個分を加えました。
卵白が余っていなかったら、どうすれば良い?
卵白が最初から余っていない場合は、もちろん全卵使用でOKです。むしろ一番美味しく作る為には、全卵使用がホントはおススメです。
今回使用した卵の総重量(殻無し)は、127gでした。全卵ならMサイズで2.5個~3個位でしょうか?同じように溶き卵にして置き、少しずつ生地に加えていけばOKです。
生地の固さを見極めるコツ
⑨更に卵白を加えます。この時点で生地の固さを調整しながら、卵白を加えていきます。
卵白を加えてはしっかりと混ぜ、ひとまとまりだった生地が鍋にくっついてとろみを増し、木べらで持ち上げるとゆっくりと落ちて三角形の形になるまで卵白を加えて下さい。
(ちなみに今回は、大体卵白2個分を加えたところでこの状態になりました。卵白1個分は余りました。)
この″生地がゆっくりボテッと落ちて三角形になる″という生地の固さの調整が、非常に重要です!三角にならず、ぶちっと切れてしまうと固すぎ。いくら三角になったからと言って、木べらからすぐに生地が落ちても緩すぎです。
加える卵白の量を2~3個としているのは、③⑤の工程で蒸発する水分がイレギュラーで不確定的要素であり、又その日の気温湿度によっても変化してしまう為。ですから、その時の状態によって調整する事がシュー生地作りのコツです。
ここで生地の固さを見極めないと、絞る際に上手くいかなかったりして、生地の膨らみに影響してしまいます。いくら余っているからと言って、卵白を全部加えてしまうのは止めましょう!
ここでオーブンを210℃に予熱開始します。
シュー生地を絞るときのコツとは?
シュー生地の絞り方
⑩丸口金をつけた絞り袋に⑨を入れます。
用意して置いた①の天板にシュー生地を絞っていきます。
高さ1cm位の所から生地を絞り出し、そのまま口金を動かさずに、手の力(握力)で生地をブチュ~っと絞り出していくのがコツ。
段々と生地の半径が大きくなっていきます。目安の大きさまで広がったら、少しだけ口金を垂直に上に上げながら、同時に絞り出していきます。
最後は小さなのの字を描くようにして、口金を上に上げます。(イメージ的にはドラクエのスライムの形になるように。)
内径28㎝の天板だと、9個絞る位が膨らんだ時にくっつかず、ちょうど良いと思います。
今回絞り出した大きさは、直径5㎝×高さ3㎝です。ここできちんと″高さのある絞り″をしないと、まん丸に膨らみません。
ついつい″シュー生地は膨らむという先入観″にとらわれすぎてしまい、生地を大きく絞るのに気をとらわれがちになり、高さの無いのっぺりとした絞りになってしまう人が多いので、注意してくださいね。
上記写真は悪い例。絞りの際に口金を動かしてしまい、蚊取り線香の様な渦巻きの絞りにしてしまうと、のっぺりとした形に・・・。
これではいくら膨らむシュー生地を作ったとしても、最終的にはぺったんこのシュー生地になります。
写真左が悪い例、右が良い例で絞ったシュー生地です。焼き上がりに歴然とした差が出るのがわかりますよね!
つまり、高さのある絞りをすることが、シューをプックリ膨らませるにはとても重要なんです。
生地の形を整える
⑪フォークなどを水で濡らし、ちょこんと出た生地を平らにならします。形が悪くなってしまったものはここで整えて下さいね。
今回はここまでです!続きは次回で。
まとめ
プクっと膨らむシュー生地作りの為には、シュー特有のポイント&コツが沢山あります。その一つ一つがどれも重要で、又それをする意味を理解して作る事も大切。
実は私、大学の卒業論文でシュー生地をテーマにした経験があります。毎日毎日試作しては研究し、その時に思い知らされたのが、【料理やお菓子作りって化学変化なんだな】という事。失敗しないものを作る為には、まずは原理を知る必要があるんですよね。ですから、今回の生地は、シューが膨らむ原理にもとずいての作業工程なので、ポイントを押さえれば、きっと失敗を防いで膨らんでくれるはずです。
次回は今回の続きとして、シュー生地を焼く際の注意点&クリームの絞り方をご紹介しますので、お楽しみに!
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